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『がんゲノム医療について』

『がんゲノム医療について』

 

皆様はじめまして、平成25年卒の兼定航(かねさだこう)といいます。
これまでの経歴を簡単にご説明しますと、私は生粋の長州人で山口高校卒業後に山口大学医学部に入学しました。
大学では硬式テニス部に所属し、朝から晩までテニス漬けの生活を送っていました。
テニス部では「手(て)」ニスではなく「足(あし)」ニスと言われるぐらい足腰を鍛えることが大事で、
私自身ランニングの練習はかかさず行っていました。
それもあってか大学卒業後も時間があればジョギングを行っていて、
時折マラソン(ハーフ、フル)大会にも出場しております。

 

 

大学卒業後は山口大学消化器・腫瘍外科学(第二外科)へ入局し、県内の関連病院で研鑽を積み、
現在は大学院生として研究を行っており、主な内容としては遺伝子関連の研究を扱っています。
昨今では「がんゲノム医療」が注目されてきていますが、
2015年にオバマ大統領(当時)が米国一般教書演説において「Precision Medicine」の概念を発表されました。
患者さんそれぞれに応じた病気の予防や治療方法の確立を意味しており、
日本語でそのまま訳すと「精密医療」となりますが、
「個別化医療」または「テーラーメイド医療」ですと少しイメージしやすいでしょうか。

 

がんゲノム医療はすでに日常診療において遺伝子を調べることで治療方法や治療副作用予測は行われています。
例えばがん組織における遺伝子の変異を調べることで抗がん剤治療における分子標的薬の選択に寄与したり、
イリノテカンという抗がん剤を使用する際に血液検査でUGT1A1という遺伝子(多型)に変異があるかどうかで副作用が出やすい人、
出にくい人を予測することができ薬剤の投与量の調整が行われています。
がんゲノム医療の発展は日進月歩の勢いで推進しており、
皆様にとっては今後より身近なものになると思われます。