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乳がん検診について

乳がんピンクリボン運動月間

10月は乳がんピンクリボン運動月間ということもあり、
毎年ニュースなどで乳がんの話題に触れられる方も多いと思います。

今年は新型コロナウイルス流行の影響で、全国的に検診や医療機関の受診を控える傾向にあり、病状が進行した状況で発見される乳がんが多くなっているとの報道がありました。

私たちの外来にも乳房のしこりなどの症状に気づいていてもなかなか病院に来られず、病気が進行したことで出てきた症状にこらえられなくなり受診された方もおられます。
そのような患者さんのお話をうかがうと皆さんそれぞれのご事情や思いをお持ちのようでした。

病状が進行してからの治療は、治療の期間も長期にわたることもあり、その分患者さんの負担(心も体もお金も)が大きくなります。

そのため乳がんは早期発見が重要である病気の一つで、早期発見にはマンモグラフィをはじめとした乳がん検診を受けることが大切です。

乳がん検診率 最下位

しかしながら、山口県の乳がん検診率は47都道府県の中で最下位(2019年国民健康調査)です。
新型コロナウイルスが流行する前からダントツの最下位は続いています。

(新型コロナワクチンの接種率は都道府県の中ではかなり高いのに!!)

私なりになぜ山口県の乳がん検診率(ほかのがん検診率も軒並み低いです)が低いのかを考えながら日々診療していますが、

私たちの外来を受診される方の多くは「はじめての検診(もしくはこれまでうけたことがなかった検診)」
で異常が見つかり、
「乳がんもしくは乳がんの疑いがある」
ため受診されています。

そして、検診を受けられていなかった理由を尋ねるとみなさん

「自分は乳がんにならないと思っていた」

といわれます。
乳がんになって、または乳がんの疑いと告げられて検診の大切さに気付かれる方は多いと思います。
ピンクリボンは乳がんの正しい知識を広め早期発見の重要性を呼びかける世界共通のシンボルマークです。

今年こそは検診率最下位を脱することを願いながら、私も乳がん検診を受けています。

(前田)