医療コラム

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がんの成長速度について

人間の身体は数十兆個の細胞から構成されています。これらの細胞は通常は分裂や増殖をコントロールする制御機構が働いて細胞数を保っています。しかし何らかの原因で遺伝子が変異して正常なコントロールができなくなることがあります。細胞が勝手に増殖して周囲に浸潤したり、ほかの場所に転移していくものを「がん」と呼びます。

一般にがん細胞は発生してから何十年の長い年月をかけて何段階にも変化して増殖すると言われています。1個のがん細胞は10~20年かけて30回の分裂を繰り返して約10億個のがん細胞の塊になりますが、この時の大きさが約1㎝で、レントゲン検査や内視鏡検査で発見することができる状態になります。「早期がん」と呼ばれるのはこの時期が多くほとんどが症状を認めません。この後、がん細胞はさら増殖を早めて繰り返していき、1~5年の間で40回の分裂をして約10cmの大きさに成長してしまいます。したがってこの間何も治療せずに放置すれば様々な症状が出現して生命を脅かすようになります。

がんは今や2人に1人の割合で罹患すると言われていますが、一般的に50歳台以降から罹患率が増えていきます。遺伝子に変異をもたらす要因の一つに飲酒、喫煙、肥満などの生活習慣が関与することが知られていますが、上記のようにがん細胞は見えないうちから長い年月をかけて成長していくので若い頃から生活習慣に気を付けることが大事になります。また、早期がんであれば根治治療も十分期待できるためがん検診などを定期的に受けることも重要です。