医療コラム
「忙しそう」で外科を目指すのをやめる前に読んでほしい話
外科医というと、「忙しそう」「大変そう」というイメージを持つ方が多いかもしれません。実際、その印象もあってか、外科を志す医師や学生が減っているのも事実です。
では、そのイメージは本当にその通りなのでしょうか。自分の1日と1週間を振り返ってみました。
基本は6時起床。子どものおむつ替え、朝食とゴミ出しを済ませて7時に出勤。帰宅は21時から24時くらいです。
月曜は手術が中心で、その前後に病棟業務、術後は記録や振り返り。火曜はカンファレンスと回診、病棟業務に加えて午後は外来。水曜と木曜は再び手術が中心となり、金曜はカンファレンスの後に他院での勤務や当直があります。土日も午前中は病棟業務を行うことが多いです。
このスケジュールは、大学病院の中でも比較的「手術にしっかり関われる」組み方だと思います。
こうして並べると大変そうに見えるかもしれません。実際、消化器外科では長時間の手術も多く、忙しいのは間違いありません。
ただ、その“忙しさ”の中身は少しイメージと違うかもしれません。同じ「忙しい」でも性質が異なるように感じています。
自分にとっての忙しさは、マルチタスクや時間に追われる状況です。一方で手術は、その忙しさとは別のもので、目の前のことに集中し続ける時間です。不思議と1日はあっという間に終わり、「つらい」という感覚はあまりありません。
そして何より、仕事の多くを「手術」という、自分がやりたくて選んだ分野に使えていることが大きいと感じています。高難度手術やロボット手術に挑戦し、少しずつ成長を実感できること。チームの中で自分の関わりが患者さんの治療に直接つながること。そうした積み重ねが、やりがいになっています。
これから進路を考える学生の方には、ぜひ一度、外科の現場を見てほしいと思います。
「忙しそうだからやめておこう」ではなく、「自分は何をしている時間が一番楽しいか」で選ぶと、見え方が変わるかもしれません。
「なぜ外科医になったのか」「手術のどこが面白いのか」については、また別の機会にお話しできればと思います。
消化器外科専門医
